Heritance Kandalama
スリランカ中部の緑に抱かれるように建つ、建築家ジェフリー・バワによる名作ホテル「ヘリタンスカンダラマ」。
チェックインから滞在中のひとときまで、まるで自然と一体になってゆくような体験でした。
チェックインの優しさ|ウェルカムフラワーとドリンクのもてなし
ホテルに到着すると、まず出迎えてくれたのは可憐なウェルカムフラワー。
ロビーでチェックインを待つ間には、カートでドリンクが運ばれてきて、お好みの一杯を選ぶことができます。
吹き抜けの空間からのぞく空、心地よい風、木々の香り。
建物の中にいながら、すでに自然の中に溶け込んでいるような気持ちになりました。
インフィニティプール|貯水池と空をつなぐ境界のない景色
プールサイドに立つと、目の前にはカンダラマ貯水池が静かに広がります。
水面と空とがつながるインフィニティプールは、時間帯によって表情を変え、言葉にできない美しさ。
まるでバワの思想「自然との共生」が、目の前で形になったかのようでした。
バワが愛した場所
ホテル内には、バワが愛していたという場所にデスクと椅子が静かに佇んでいます。
派手さはなくとも、配置や光の取り込み方に静けさと意思が宿っていて、ただそこにあるだけで空間が整って見えました。
座ってみました。
バワの哲学に触れるような、貴重なひとときです。
客室|自然に抱かれるようなバスタイム
客室は、木のぬくもりが感じられるお部屋でした。
紅茶やお水などのミニバー。
クローゼット。やや小さめ。
客室の大きな魅力は、貯水池を眺めながら湯船に浸かれるバスルーム。
ベランダも備えられ、外とのつながりを大切にした設計になっています。
広々としたバスルームには、ホテルオリジナルのアメニティが並び、香りや質感にもぬくもりが感じられました。
デスクには、椅子があえて斜めに配置されています。これもまた、バワ流の空間づくりのこだわり。
細部にまで「自然と人の調和」を宿した空間に身を置くことで、自分の感覚がすっと澄んでいくようでした。
「滞在する建築」とは、まさにこのことかもしれません。
ヘリタンスカンダラマでは、木・水・土の気配を五感で味わいながら、静かに深呼吸するような時間が流れていました。